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絵本の選書紹介

にこにこ書店がこれまでにご相談いただいた絵本選書の事例をご紹介いたします。


ご出産祝いの絵本

同僚の皆様よりご相談

ご同僚に双子ちゃんがお生まれになり、出産のお祝いに絵本を何冊かプレゼントされたいとのご依頼でした。そのうちの一冊は2歳になったおねえちゃまに向けたものをとのお話しでした。

『あそぼうよ』作・絵:レオ=レオニ / 訳:谷川 俊太郎 / 好学社
『まるさんかくぞう』作:及川賢治・竹内繭子 / 文溪堂
『わたしは いつも』作・絵 / よしだ るみ / 国土社 をおすすめしました

まずは双子ちゃん向けに、レオ=レオニの赤ちゃん絵本『あそぼうよ』を選びました。2ひきの小さなねずみさんのお話しが、まるでこれからの双子ちゃんの毎日のように可愛らしく初々しい絵本です。小さなボードブックタイプなので、お出かけの際やご自分たちで絵本を開けるようになった頃までも長く楽しんでいただけるかと思います。

2歳のおねえちゃんへは、当てっこや想像するやりとりが楽しい『まるさんかくぞう』を選びました。シンプルで温かみのある絵本からはかたちや色への興味も広がり、ちょっぴり忙しくなってしまったママとでもあれこれおしゃべりしながら楽しい時間を重ねていける一冊です。

もう一冊はママ用に、繊細に描かれた動物たちの表情を眺めるだけでも癒される『わたしは いつも』を選びました。小さな女の子の目線で語られている絵本なので、ちょうど2歳のおねえちゃんからのママへのメッセージのようにも感じていただけるかと思いました。短い言葉で綴られた絵本なので、ほんのわずかでもママにもリラックスした時間をもたらせてくれたら嬉しいです。


”ともだちを作ること”の絵本

4歳男児のお母さまよりご相談

絵本が大好きな元気な男の子。普段は一人で集中して遊ぶことがお得意とのお話しでしたが、そろそろお友だちを作ることやその大切さを絵本でお伝えになりたいとのことでした。

『いっしょならもっといい』作:ルイス・スロボドキン / 訳:木坂 涼 / 偕成社 をおすすめしました

お話を伺い真っ先に思い浮かんだのは、一人の時間を十分持ち楽しめていることを肯定する視点を持った絵本です。子どもが一人で過ごす時間というのは、大人が考えているよりはるかにその子自身の根っこになるものだと思うからです。それなので、”ひとりでもたのしいことたくさんあるよ でもだれかといっしょならもっとたのしいことあるかも”と描かれたこちらの一冊をおすすめしました。

静かに自分に向かって語りかけてくれているような絵本なので、たとえ一人で絵本が読めるようになっていたとしてもゆったりと一緒に読む(読み聞かせで一緒の時間を過ごす)ことをおすすめします。特に大切に届けたいメッセージは、大事な人の声から直接聴くことできっとさらに心に染み入るでしょう。

4、5歳くらいになると、こちらの望んでいることや期待などをなんとなく察するようになります。だからこそ、”こうすればきっともっと楽しいよ”という視点から選んでみると、いつも大切にしてもらっている自分を嬉しく感じ取りさらに勇気づけられることでしょう!


”自分を大切にすること”の絵本

4歳女児のおばあさまよりご相談

普段保育園で過ごすお孫さんへの一冊を選びにご来店。お友だち(男の子)との身体の違いに興味を持ち始めたので、自分の身体を大切にする絵本を何かとのお話しでした。

『わたしとなかよし』作:ナンシー・カールソン / 訳:なかがわちひろ / 瑞雲舎 をおすすめしました

お客様のご希望としては、人体の図解のようなもので体の大切なところを説明できるものをとのお話しでしたが、あいにく当店にはそのような書籍の取り扱いがありませんでした。そこで、直接的な表現ではない方法で「あなたが大切だよ」というメッセージが存分に伝えられるこちらの絵本をおすすめしました。

わたしはひとりぼっちじゃなくいつも”わたし”といっしょにいて、自転車をビュンビュンこいで、ごはんももりもり食べて、元気がでないときにはうんと楽しいことをして遊んでる。そんなすてきな”わたし”をいつもどんな時でも大切にするよ――。

そんなすてきなあなたをおばちゃんはいつも見守っているよという想いこそが、何より”自分を大切にする”ことに繋がってゆくことでしょう。自分を信じ応援してくれる人の存在は最高の味方ですね。


お誕生日会で読みたい絵本

60代女性よりご相談

近隣幼稚園で読み聞かせのボランティアでご活躍中の方からのお問い合わせ。来月、園児さんのお誕生会で読む幼児さん向けの絵本をお探しとのことでした。

『すきがいっぱい』作:マーガレット・ワイズ・ブラウン / 絵:ガース・ウィリアムズ / 訳:木坂 涼 / フレーベル館 をおすすめしました

お誕生日会ということで、せっかくなら毎月の読み聞かせとは違う少し特別な感じがする絵本をとのご依頼でしたので、こちらの絵本をおすすめしました。

くるまがすき、ほしがすき、むしがすき、いぬがすき――。子どもにとっての毎日はすきなもので満ちた世界であってもらいたいもの。一つ大きくなったお祝いに、そんなすきなものをいっぱい伝えるのも素敵です。

お一人でそのまま読まれるのももちろん楽しい絵本ですが、「○○がすき」のフレーズが繰り返し登場しますので、メンバーの皆さんで群読のように声を揃えたり、パート分(ページ分け)して読むのもより一層お誕生会を華やかに演出できるかと思います。「ひとがすき」「みんな みんな だいすき」という結びの部分をぜひ大切に伝えたいと声を弾ませていらっしゃったその方のお人柄が、お誕生会で必ず届いていることと思います!


”そのままの自分に乾杯!”の絵本

40代女性よりご相談

ご高齢の方々に向けて読む絵本を何冊かおさがしでした。暗くならず心がふと軽くなり、明るくユーモアのある絵本をとのおはなしでした。

『ロバくんのみみ』ロジャー・デュボアザン:作 / こみや ゆう:訳 / 好学社 をおすすめしました

絵本を読んだ後は、心を開いて気楽にご自身についておしゃべりできるような絵本をおさがしでしたので、あえて大人向けのものではなくこちらの絵本をおすすめしました。

ちいさくてようきなロバくんが、ある日小川にうつったながくてひょろっとした自分の耳を見て、ふとかなしくなってなにもたべれなくなってしまいました。ロバくんは仲間のどうぶつのところへ行きさまざまアドバイスをもらいますが・・・

この絵本に登場するどうぶつたちは、みんな愉快でそれぞれ自分が大好きでどこかお気楽です。そのうえどこまでも素直で正直な主人公のロバくんからは「自分は自分のままがいいよ」という幸せのスイッチに気づかせてもらえるかのよう。これまでにももう十分に頑張ってきた世代の方々へは、ロバくんたちの表情豊かな姿と言葉でクスッと笑えるこんな肩の力が抜けるような絵本も時にはおすすめです。


大人が泣きたいときに読む絵本

シニア男性よりご相談

日課のお散歩お帰りの男性。泣ける絵本をおさがしでした。今日はそんな気分なので、とのお話しでした。

『最初の質問』詩:長田弘 / 絵:いせひでこ / 講談社 をおすすめしました

いわゆる”大人が泣ける絵本”を何冊かご提案したところ、こちらの絵本をパラパラとめくり「これがいい、これにする」とおっしゃって風のようにご購入されました。

まるでこれまでのご自分と、これからの自分に、そっと投げかけてくれているかのような質問の数々。いせひでこさんの優しい絵にも癒され、その美しさに励まされます。

大人だって、もちろん男性だって、そんな気分の日もありますよね。気に入っていただける絵本がご用意できてよかったです。

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